こんにちは、アサクラのほつりんです。
今回は、不織布とシールの相性について検証してみようかと思います。
不織布とシールの相性は正直言ってあまり良くありません (T_T)
不織布包材の封や成分表記などで、シールを使用したい場面が多々ありますが、不織布とは相性が良くない為、すぐに剥がれてしまいます。一般的な不織布の表面にはエンボス(丸い凹凸)が有る為だと思われます。その為、自分の中では不織布にはシールが使えないという認識となっています。ただ不織布にも色々種類があるので、今回は様々な不織布でシールの相性を検証してみたいと思います。
本来は、粘着剤の剥離試験機なるものがあるらしいですが、弊社には無いので今回は手探りの独自検証方で行きたいと思います。
※在宅ワーク中なので写真の質がいまいちですが、ご了承下さい。(-_-)
今回検証する不織布は以下の7種類です。
素材そのものもそうですが、今回は素材表面にも注目して見て行きたいと思います。
PP不織布
ポリプロピレン製の不織布で、もっともポピュラーな不織布です。
表面は丸エンボス
PET・PP和紙調不織布
ペットとポリプロピレンの複合素材です。
表面はエンボスが無くフラットです。
PETスパンレース不織布
ペット製で、繊維を高圧水流で交絡させたノーバイバー不織布です。
表面はエンボスが無くわりとフラットです。
PETケミカルボンド不織布
ペット製で、接着剤で結合させた不織布です。
表面は、エンボスはありませんが、手触りはザラザラしてます。それでも不織布の中では比較的フラットです。
リサイクルPET不織布
ペットボトルをリサイクルして作った不織布です。
表面は、エンボスが有りますがプレスが効いているので比較的フラットです。
ナイロン不織布
ナイロン製の不織布で風呂敷などに使われる薄目付の物です。
表面は、エンボスはありますが、これもプレスが効いているので比較的フラットな感じです。
PE不織布
ポリエチレン製のサーマルボンド(熱で溶かして結合)不織布です。
表面は、エンボスは無くフラットです。
おまけでコピー用紙
シールの粘着力を確認する為に特別参戦して貰いました。
今回は、この季節外れの謎のハロウイン塩ビシールを使用して検証したいと思います。
粘着は再剥離強粘着タイプです。
素材の上下を折ります。
そこにシールを貼って行きます。
この生地は反発が強いので、すぐに剥がれてしまいそうです・・・
こんな感じで全ての素材にシールを貼り終えました。
このまま1時間ほど放置して様子を見てみましょう。
・・・・・・
(-_-)zzz
Σ(゚Д゚)
1時間経ちました、様子をみてみましょう。
さすがに1時間くらいでは、変化はないですね・・・
では、あと3時間ほど放置してみましょう。
・・・・・・・・・
うー変化なし・・
近くで見てもこんな感じです。
さすがに放置してるだけだは剥がれてこないですね。
リサイクルPET不織布などの折りに対して反発の強い生地は、すぐに剥がれてしまうかと思いましたが、思ったより頑張ってますね (*´з`)
では実際にシールを剥がしてにて粘着具合を確認して行きましょう。
ここからは、あくまでも感覚的な話になってしまいますが、ご了承下さい。
粘着力の評価は、3段階です。A>B>C
A:紙やフィルムなどと比べると遠く及ばないですが、用途を絞れば使える。
B:用途次第では使えるかな?程度で、力の掛からない場所なら・・・・
C:なんとか張り付いている状態、力を掛けると直ぐに剥がれる程度。
PP不織布
取り敢えずくっついてる感じで、剥がそうとすると簡単に剥がれます。
表面が毛羽立つ事もなく、取り敢えずくっついてるといった感じです。
想定通リの結果ですね。もっともポピュラーな不織布の為、不織布にシールは貼れないという認識の一番の原因だと思われます。
粘着力:C 弱い
PET・PP和紙調不織
わりとしっかりくっついています。剥がそうとしないと剥がせない感じです。
封としては物足りないですが、成分表記等なら及第点といったところでしょうか?
包材の季節のイベントラベル(ハロウイン)等なら有りですね。
粘着力:B まあまあ
PETスパンレース不織布
かなりシッカリくっついています。最低限シールとしての役割は発揮してくれそうです。
生地が柔らかいので、剥がすときに少し伸びてしまいました。
粘着力:A 良い
PETケミカルボンド不織布
PP不織布同様シールとの相性は良くないようです・・・
簡単に剥がれてしまいます。包材に貼るイベント等のシールならありですが、陳列中に剥がれてしまう可能性もあります。
表面がザラついているのが原因だと思われます。
粘着力:C 弱い
リサイクルPET不織布
それなりにくっついている感じです。極端に力が掛からなければ問題無さそうです。エンボスがフラットタイプなのが良さそうです。封としては心もとないですが、相性はそんなに悪くない感じです。
粘着力:B まあまあ良い
ナイロン不織布
表面がフラットな為、思ったよりくっついています。シールとして最低限の仕事はしてくれそうです。封などには少し心もとないですが、それなりにくっついている為相性はそこまで悪くはないですね。
もう少し強くくっついくれれば、包装紙代わりの用途に使えたりするので残念です。
粘着力:B まあまあ
PE不織布
こちらはあまり相性が良くなさそうです。全くダメという程ではないですが、エンボスがフラットタイプにしては、くっつきが今一つです。とりあえずくっついているといったところでしょうか?
表面の滑りが良いのが影響してる気がします。
粘着力:C 弱い
おまけのコピー用紙
剥がすさいに貼り付けた紙が少し破ける程のくっつき具合でした。当たり前ですが相性は良好です。
粘着力:S とても良く、不織布と次元が違うので特別にSを上げます。
結果
シールとの相性が良い素材上位3つ
※コピー用紙を除く
1位 PETスパンレース不織布 A
2位 PET・PP和紙調不織布 B
3位 リサイクルPET不織布 B
今回のシールでの個人的な感想ですが、上記の結果となりました。
今回検証した素材でやはり紙を超える相性の物は無かったです。やはり不織布は紙に比べると、どれもパッケージ封などに使用するには、少し不安があるというのが素直な感想です。検証で使用したシールよりも粘着力の強いシールも世の中には沢山あるので、探せば不織布と相性の良いシールがあるかもしれません。
もっと良いシールを見つけたら、また検証してみたいと思います。
最後まで、ありがとうございました。
※2021年の記事です