スパンレース不織布は、直径0.1mmほどの微細なノズルから高圧水流を繊維に打ちつけて絡ませる「ウォータージェット方式」と呼ばれる製法で作られます。接着剤や熱による圧着を使用しないため、エンボス加工を施さなくても表面を均一に仕上げられ、滑らかでやわらかな触感が特長です。用途に合わせてエンボス加工を施して凹凸を付けたりします。(主にウエットティッシュなど)

スパレース

比較的フラットな表面

スパンボンド

熱圧着によるエンボス模様


特徴まとめ

・柔らかく、布のような肌触り


・吸水性(素材による)・通気性が高い


・毛羽立ちにくく、清潔感がある


・天然繊維・化学繊維・特殊繊維など幅広い原料に対応
綿(コットン)、木材パルプ、ポリエステル(PET)ポリプロピレン(PP)など


・接着剤不使用で環境にもやさしい


・フラットタイプは印刷適正が高い ※PETなど一部の素材


主な用途

ウェットティッシュ


フェイスマスク


医療用ガーゼ


掃除用クロス


生分解性農業ポッド


最近では、包材(ラッピング)用途でも使用されています



スパンレース vs スパンボンド:違いを比較!

一般的な不織布であるスパンボンドと比較してみました

項目 スパンレース不織布 スパンボンド不織布
製法 高圧水流で繊維を交絡 熱・圧力で繊維を結合
肌触り 柔らかく布のよう やや硬めでしっかり
吸水性 高い 低め
強度 中程度 高い
主な用途 衛生・医療・化粧品 産業・農業・包装
環境性 接着剤不使用で衛星用途向き 加工効率が高く大量生産向き


スパンレースとスパンボンド、同じ「不織布」でも製法や性質はまるで違います。それぞれの特性を理解して、用途に合った素材選びをすることが大切です。


簡単にまとめると


肌に触れるものや柔らかさ重視なら → スパンレース不織布


強度・耐久性重視で産業用途なら → スパンボンド不織布